伊勢参宮道中記 9冊

伊勢道中記についての収集本より。全て読了しているわけではない。

伊勢道中記

 「お伊勢参り 附・文政の道中記」沢内勇三著(岩手県・宮古郷土史研究会・昭和47)
解説本としては最も充実した内容で、江戸時代の古文書を多数引用しながら、伊勢講組織に始まり、出立前後の当人たちや村人たちの儀礼、道中や旅籠について、伊勢での様子や、帰郷後の様々のお祝い、伊勢の遷宮儀式や、抜け参りなどの特殊な参拝に、若者の筆下ろしに至るまで、詳細に書かれている。文政13年の道中記が付されている。昔懐かしい和文タイプの版下。

 「伊勢参宮道中記」(福島県・いわき地域学会・平成5)
天明6年の道中記と小遣帳。小遣帳が詳細で、道中の洗濯代や髪結代まで書かれる。

 「道中記」(山形県・自費・平成18)
明治8年、酒田を出立。道中記としては取上げた中で最も長文である。史跡やそれにまつわる歌句の覚書が多い。

 「伊勢参宮道中記」石原博著(MBC21・平成12)
明治13年、神奈川県横浜から。原本の画像と活字の翻刻文を並べて掲載しているので、古文書の勉強にもなる。本人はかなり趣味人のようで、道中の出来事が面白おかしく書かれ、自作の川柳も多く詠まれている。

伊勢道中記2

 「伊勢道中記史料」(東京都世田谷区教育委員会、昭和59)
文化4年から明治14年までの、区内で発見された道中記15点を集成したもの。古書店などでの入手は難しくない。

 「伊勢参宮道中記 附・資料注釈」(福岡県・平成元年)
明治18年、福岡を出立。道中記以外に、当時の案内地図など多数の図版が収録されるが、印刷状態は良くない。初版は伊勢の神宮文庫にも寄贈されたという。

 「伊勢道中日記・旅する大工棟梁」西和夫編(平凡社・1999年)
天保12年、相模国を出立。大工らしく、参詣した寺社の建造物について詳しい。翻刻文と解説。解説は建築関連、御師、道中のことなど。

伊勢道中記3

 「お伊勢参り道中記」(宮城県古文書を読む会テキスト)
寛政6年、仙台に近い村からの旅。翻刻ではなく、古文書をコピー機で複写したものをそのまま版下にして(写真でなく白黒2値)、軽印刷にしたようで、文字がかすれて読みにくい。

 「伊勢道中日記史料」(茨城県・土浦市史編纂委員会・昭和63)
文化4年の農民たちの旅と、弘化2年の地元の文人の旅日記の2つ。前者では、宿場町や路傍のことに比較的関心が高いように思えた。
(自費出版的なものは著者名を略す)
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