草薙の剣

 清水市宮切の久佐奈岐(くさなぎ)神社は、日本武尊をまつる。四体の神像があり、吉備武彦命、大伴武日連、七掬脛、弟橘姫をかたどったものとされるが、この四人は尊の東征に従った者たち(日本書紀)である。日本武尊は、久能山の北の草薙の地で賊の火攻めにあひ、剣で草をなぎはらって難をのがれたといふ。火を焼かれた地は少し離れた焼津だったともいふ。

 ○焼津辺にわが行きしかば、駿河なる安部の市路に逢ひし子らはも  春日蔵老