足柄峠

駿東郡小山町

 駿東郡小山町、国鉄(JR)足柄駅付近に竹之下の宿場があった。

 ○足柄の山の嵐の跡とめて、花の雪ふむ竹の下道          風雅集

 ここから東の足柄峠を越えて相模国へ入る道が、古代の東海道である。むかし美濃国青墓(あをはか)の遊女が足柄峠を越えようとしたとき、何かはばかるものがあったらしく、山神が翁の姿で現はれて越えるための歌を教へてくれたといふ。その歌が、竹之下宿の遊女たちに伝へられて来た。

 ○秋ならばいかに木の葉の乱れまし、あらしぞ落つるあしがらの山