三保の松原

清水市

 清水市の三保の松原、その西の有度山の南の有度浜あたりに、むかし神女が天から降りて舞ひ遊びをしたといふ。羽衣伝説としては最も有名な地である。

 ○有度浜(う ど はま)に、天の羽衣むかし着て振りけむ袖や、今日のはふりこ   能因

 ○清見潟(きよみがた)、磯山もとは暮れそめて、入り日のこれる三保の松原    藤原冬隆

 清見潟とは今の清水港をいふ。

 静岡市の久能山(くのうさん)東照宮に伝はる歌。

 ○人はただ身のほどを知れ、草の葉の露も重きは落つるものかな   徳川家康