灰屋紹益

 灰屋とは、南北朝のころから藍染め用の紺灰の商ひで巨大な富を築いた豪商佐野家の屋号のことである。徳川時代の始めの当主、灰屋紹益は、諸芸にも通じて貴族との交流も広く、六条柳町の遊女、吉野太夫をめぐって、のちの関白近衛信尋と争ひ、大夫を正妻に迎へたといふ。

 ○花咲いた後は灰屋に散る吉野