神泉苑

 平安京の大内裏の東南に隣接して造られた神泉苑には、冬にも涸れぬ湧泉があったといふ。ある年、都を襲った大旱魃のとき、空海が天竺の善女竜王を勧請して池を掘り、雨乞の祈祷をして以後は、雨乞の祈祷所となった。この池のほとりで小野小町が詠んだ雨乞の歌がある。

 ○ことわりや日の本なれば照りもせめ、さりとてはまたあめが下かは  小野小町

 静御前が源義経に見初められたのも、ここで雨の祈りの舞を舞ったときだといふ。