宇治の橋姫

宇治市宇治橋

 孝徳天皇の大化二年に初めて宇治橋が架けられたとき、宇治川上流の桜谷の瀬織津比売(せおりつひめ)の神を、橋上に祀って祠を建てた。祠はのちに橋の西の土地に移され、明治までは橋の架け替へごとに新しい神殿が造られたといふ。橋姫神社といふ。

 ○さむしろに衣かたしき今宵もや、我をまつらん宇治の橋姫     古今集

 ○あじろ木にいさよふ浪の音ふけて、独りや寝ぬる宇治の橋姫    新古今集

 ○橋姫の紅葉かさねや、かりてまし、旅寝は寒し。宇治の川風    蓮月集