木のまろ殿

朝倉郡朝倉町

 白村江の戦のころ、中大兄皇子や斉明天皇らの行宮として建てられた朝倉宮は、伐ったばかりの丸太の木で急いで造られたので、木の丸殿とよばれたといふ。用心のため、訪れる人は、声を出して名告ってから入らねばならなかったといふ。(古今集)

 ○朝倉や、木のまろ殿に吾が居れば、名告りをしつつ行くは誰が子ぞ  天智天皇

 ○名告りして夜深く過ぎぬ。ほととぎす。われを許さぬ朝倉の関 小侍従

 ○君みれば、朝倉山に隠れにし人に、吾こそ逢ふ心地すれ    能因