熊野神社

八束郡八雲村

 熊野神社{大社}の御祭神は「伊射那伎日真名子(いざなきひまなご)加夫呂伎(かぶろき)熊野大神(くし)御気野(みけの)命」、すなはち素戔嗚尊の別名とされる。クマはカミ(神)の転であるともいふ。

 出雲国造の子孫の出雲大社宮司・千家(せんげ)家では、代替はりのときに熊野神社から神器の火鑽臼と火鑽杵を拝戴する儀式がある。出雲大社ではこれらの神器で神火を鑽り出して、神への神饌が調理され、神と宮司がともに食する。古代の出雲国造が国造の職につくときに行なはれたことが、古式のまま現在に継承されてゐる。十月十五日の鑽火祭(きりびまつり)には、出雲大社宮司は、神歌と琴に合はせ百番の榊舞を納めるといふ。

 ○すめかみをよきひにまつりし、あすよりはあけのころもをけころもにせむ