藤白神社

海南市藤白

 斉明天皇が紀の湯(白浜湯崎)に行幸された時、旅の無事を祈ってまつった神が、藤白(ふぢしろ)神社の始りといふ。そのゆかりで境内社として有間皇子神社がある。有間皇子は紀州の旅の途中で亡くなった皇子である。

 ○家にあれば()に盛る飯を、草枕旅にしあれば推の葉に盛る     有間皇子

 聖武天皇の玉津島行幸の際、僧の行基を藤白神社に参詣させて、皇子誕生を祈願したところ、高野皇女(称徳天皇)がお生まれになった。その縁で光明皇后から社領を賜って以来、「子授け・安産・長寿」の神として信仰を集めた。その後、熊野三山の遥拝所とされ、熊野九十九王子のうち藤白王子をまつり、藤白若一王子社とも呼ばれた。