白糸温泉

松本市

 松本市東部の入山辺温泉は、またの名を白糸温泉、筑摩(つかま)の湯ともいった。

 ○出づる湯のわくにかかれる白糸は、くる人絶えぬものにぞありける 源重之

 日本書紀に天武天皇の行幸の計画があった「束間(つかま)温湯」は、この地とされる。元正天皇が行幸された美濃の養老滝も温泉だったとの説もある。天武天皇には信濃遷都の計画もあったらしく、この温泉が関係してゐるのだといふ。(川崎康之「天武天皇」)