房総の頼朝

山武郡蓮沼村

 伊豆で平家追討の兵を挙げた源頼朝は、最初の戦に敗れて安房へ逃れた。安房では多くの里人が頼朝を匿って世話をしたといひ、頼朝公から苗字を賜ったと今に伝へる家は数知れない。頼朝が九十九里浜の景観に見せられて浜の長さを測ったときに、一里毎に矢を挿し、ちょうど九十九里の中央にあたる山武郡蓮沼村に祠を建てて弓矢の神をまつったといふ。今の箭挿(やさし)神社である。

 ○まん丸や、箭挿(やさし)が浦の月の的                  源頼朝