浜に流れ寄る神

長生郡長生町本郷 住吉神社

 江戸時代の初め(元和二年)に、九十九里浜の一松郷蟹道の磯に、一体の神像が漂着した。これを拾った里人が、しばらく自宅の稲荷さまの中にまつっておくと、ある夜、住吉の神が夢に現はれ「吾は摂津の国、住吉大明神なり。高根郷八幡の森は住吉の杜に髣髴たれば彼の地に遷座せられんことを」との御神託があった。驚いて高根郷の神官と里人に告げると、皆喜んでこれを迎へ、八幡社に合祀して社名も住吉大明神と改めた。合祀当時の歌とされるものがある。

 ○あづま沖 青海原の汐路より 現はれ出でし 住吉の神      古歌