お富・伊三郎

木更津(君津郡)

 むかし江戸深川の芸者お富は、木更津の貸元源左衛門に身請けされて、木更津に住むことになった。ある秋、八幡さまの祭礼で、江戸育ちの三味線弾き、与三郎と知り合った。以来、浜で逢ひ引きを重ねてゐたが、貸元に知られるところとなり、二人は半殺しのめにあった。二人はなんとか逃れて江戸で再会し、夫婦となったといふ。

 ○誰がひくやら明け烏、ついてくるきかお富さん