大山は万葉時代に相模嶺とも呼ばれたらしい。 ○相模嶺(さがみね)の小峰(をみね)見遥(みそく)し、忘れ来る妹(いも)が名呼びて、吾(あ)を哭(ね)し泣くな 万葉集3362 近世には雨降(あめふり)山ともいひ、大山(おほやま)阿夫利(あぶり)神社は祈雨や農耕の神として信仰を集めた。 アメフリが縮まってアブリとなったともいひ、麓の八大竜王社が、大山阿夫利神社の元宮だったともいふ。建暦元年(1211)七月の相模国の大洪水のときに鎌倉の将軍が祈った八大竜王とは、大山の神だらうといはれる。 ○時により過ぐれば民の嘆きなり。八大竜王、雨やめたまへ 源実朝