鴫立沢

中郡大磯町鴫立庵

 むかし西行法師が陸奥への旅の途中、大磯の地で詠んだ有名な歌がある。

 ○こころなき身にもあはれは知られけり。鴫立つ沢の秋の夕暮れ   西行

 江戸時代の初め、俳人の大淀三千風がこの地に住み、その庵は鴫立庵と呼ばれた。この庵の近くの小川を鴫立沢といふらしい。

 ○鴫立ちし沢辺の庵をふきかへて、こころなき身の思ひ出にせん   大淀三千風

 付近の虎子堂は、曽我十郎の恋人の虎女をまつる(虎女の墓は各地にあり)。

 ○大磯も虎はむかしに。猫の恋                  也有