朝花

奄美大島

 奄美大島では、娘が十八にもなると新しい着物を作る。それで木綿花を摘みに娘を畑にやると、十九くらゐの若者が手伝ひに来る。その晩、若者は決まって娘の家にやって来て、三味線を引きながら、娘と掛け合ひの歌を歌ふ。

 ○花咲きゃまあらい、縁結びまあらい、朝摘(しかまむ)たん花や、談合どぅあたん

 こんな歌の掛け合ひをしながら、二人は結局、夫婦になるらしい。