霧島連峰・高千穂峰

姶良郡霧島町

 高天原から高千穂峰に降臨した瓊瓊杵(ににぎ)尊をまつる霧島神宮は、古くは高千穂峰に近い脊門丘にあったといひ、たびたびの噴火を避けて室町時代に麓の姶良(あいら)郡霧島町に遷座されたといふ。高千穂峰の頂上には「天の逆鉾(さかほこ)」といふ石がある。これは、伊邪那岐・伊邪那美の二神が天の浮橋の上から海水をかきまぜてオノゴロ島をつくったときのものといふが、日向国を領した島津義久の建てたものらしい。

 瓊瓊杵尊は、笠沙(かささ)の岬で、后となる木花開耶姫(このはなのさくやひめ)と出逢ったといふ。今の笠沙町の野間岬だといふ。この姫の子が、海幸彦、山幸彦の兄弟である。

 ○沖つ藻は辺には寄れども、さ寝床もあたはぬかもよ、浜つ千鳥は  瓊瓊杵尊