金比羅の神

仲多度郡琴平町

 琴平町の金刀比羅(ことひら)宮は大物主大神を祀り、象頭山(ぞうづさん)金比羅(こんぴら)大権現ともいひ、「海上安全、大漁満足」の神として信仰されて来た。

 ○おんひらひら、蝶も金比羅参りかな               一茶

 ○偶然(たまたま)の紅葉祭に逢ひけるも                   虚子

 酒樽を川に流すと、拾った舟はその酒樽を金刀比羅宮への初穂として届けなければならないといふ「流し樽」の風習がある。波に転がされた酒は実に美味といふ。

 ○金刀比羅の宮はかしこし。船びとが流し初穂をささぐるも、うべ  吉井 勇