袖の浦

酒田

 酒田港は、袖の浦ともいひ、最上川の河口にあたり、日本海有数の港として近世まで繁栄を極めた。

 ○白妙の袖の浦浪、よるよるに、もろこし船や、漕ぎ渡るらむ   家定 夫木抄

 ○人をのみ、こふの湊に寄る波は袖をのみこそ打ち濡らしけれ   夫木抄

 右の「こふ」とは恋ふと国府をかけたもので、港の東に出羽国府があった。