津軽じょんから節

浅瀬石川

 ○津軽良いとこリンゴの国よ、娘十八お化粧で飾る、岩木お山は男で飾る

 慶長(1596〜)の頃、初代津軽藩主の津軽為信に滅ぼされた千徳政氏(浅瀬石(あせんし)城主)の墓を、残党刈りに来た兵があばいた。この非道なふるまひに抗議して、常縁(じょうえん)といふ僧が、浅瀬石川の河原に入水したといふ。以来その河原は常縁河原と呼ばれたが、のち縮まって上河原(じょんから)となった。この地で千徳家の霊を慰めるために里人が唄ひ継いできた唄が、じょんから節であるといふ。