むかし佐賀郡に大楠があり、朝日の陰は杵島郡の蒲川山を覆ひ、夕日の陰は養父郡の草横山(九千部山)を覆ったといふ。日本武尊がこの楠の茂り栄えるさまを見て、「この国は栄(さか)の国」といったので佐賀の郡名となったといふ。 ○我に迫る三千年の樟(くす)若葉 青木斗月 ○楠(くす)の木の若枝ゆすりてこのあした声あげやまぬかちがらすあり 中島哀浪