高橋泥舟

事典で見た肖像は二枚目役者のような優しい面立ちだったが、終生武道(槍術)を愛し、書にも力強いものがある。
画像の書には、
法眼看軽薄 (法眼は軽薄を看)
虚情任屈伸 (虚情は屈伸に任す)
と書かれてある。
「法眼」とは仏教用語でもあるが、ここでは成熟してある領域に達した知識といった意味だろうと思う。法眼は軽薄を看破するという。そうだろう。
「屈伸」とはたぶん、ペコペコ頭を下げたり、ふんぞりかえったりするような「屈伸」のことで、「虚情」とはそんなことしかできないのだという。その通りだろう。