由布の山 速見の里

大分郡湯布院町

 大分郡(旧速見郡)湯布院町に由布岳(由布山)があり、宇奈岐日女(うなきひめ)神社がある。

 ○少女らが()なりの髪を、由布(ゆふ)の山、雲な棚引き。家の辺り見む 万葉集1244

 ○思ひ出づる時は、(すべ)無み、豊国の由布山雪の、消ぬべく思ほゆ 万葉集2341

 由布山の神である宇奈岐日女は、豊後風土記に登場する速津媛(はやつひめ)のことだともいふ。むかし景行天皇が九州平定におもむかれたとき、天皇は、速津媛国といふところで女王の速津媛に迎へられた。天皇は速津媛の力を得て、郡域を平定され、そのときから速見郡といふやうになったといふ。

 ○何ごとのゆかしければか、道遠みはやみの里に急ぎ来つらむ  大弐高遠 夫木抄