宇佐神宮

宇佐市

 宇佐神宮は、誉田別(ほむだわけ)尊(応神天皇)、比売大神、大帯姫(おほたらしひめ)命(神功皇后)をまつる。宇佐八幡宮ともいひ、全国数万の八幡社のうち最も古い社ともいふ。

 ○わたの原、浪路へだつる宇佐の宮、深き誓ひは世々にかはらじ  後京極殿摂政

 奈良時代に道鏡が権力を握ってゐたころ、和気清麻呂は足を斬られてうつほ船で九州に流されたといふ。舟は宇佐八幡に着き、八幡神が清麻呂の足を撫でると、見る見る足が生へて来たといふ。

 ○在り来つつ来つつ知れども、いさぎよき君が心をわれ忘れめや

 寿永二年、木曽義仲に京を追はれた平宗盛は、勢力を挽回すべく宇佐神宮に参篭して祈ったといふ。(源平盛衰記)

 ○思ひ兼ね心づくしに祈れども、うさにはものを言はれざりけり  平宗盛



 宇佐周辺の地方では、薮の中の石祠に小一郎(こいちろう)神がまつられ、一族や家の守護神とされる。移動したり周りの木を切ると家にたたるらしい。馬ヶ嶽城主の新田小一郎義氏の霊をまつったものだともいふ。