なちじんの乙樽
十三世紀ごろの沖縄は、北山、中山、南山の三つに別れて、それぞれに王がゐた。北山の
○今帰仁の
まもなく開かれた若君誕生の祝宴で、突如謀反が起った。乙樽ら数人は千代松を守って城を抜け出したが、追手の迫る中で、乙樽は千代松と生き別れとなってしまった。十八年後、千代松は丘春と改名し、旧臣を集めて城を奪還した。城主となった丘春は、乳母だった乙樽を捜し出して、ノロ(最高の神女)に任命したといふ。
十三世紀ごろの沖縄は、北山、中山、南山の三つに別れて、それぞれに王がゐた。北山の
○今帰仁の
まもなく開かれた若君誕生の祝宴で、突如謀反が起った。乙樽ら数人は千代松を守って城を抜け出したが、追手の迫る中で、乙樽は千代松と生き別れとなってしまった。十八年後、千代松は丘春と改名し、旧臣を集めて城を奪還した。城主となった丘春は、乳母だった乙樽を捜し出して、ノロ(最高の神女)に任命したといふ。