ローソクもらひ

 北海道の村の子供たちは、八月七日(または七月七日)の夕方に集り、竹に短冊と灯籠をさげて持ち、笛太鼓で囃し、歌ひながら村の家々を巡ってローソクをもらふ。

 ○竹に短冊、七夕まつり、大いに祝はう、ローソク一本ちょうだいな

 ○今年ゃ豊年七夕祭り、ローソク出せ出せよ、出さないとひっかくぞ、

   寝てもさめても()ねうち(うご)がね

 現在ではローソクの代りに菓子などをもらって歩く地域もあるといふ。青森のねぶた祭によく似た行事だが、かうした子供による灯籠や火祭りなどの盆迎への行事は全国各地で行なはれて来た。近年の振興住宅地などで盛んな夏休みの子供の神輿の行列なども、昔の盆迎への行列の面影があるやうにも思へる。