旅の心得の歌

前日の『少年探偵手帳』から
忍者の旅の心得の歌。

 道中は、一度にものは食らわずに、休み休みて、いくたびも食え
 腹の立つことも旅はこらえつつ、言うべきことは、のちにことわれ
 道中は、自由をせんと思うまじ。不自由せんとすれば自由ぞ
 得たりとて旅では出すな、わがわざを。隠さぬ人は、難にあうなり
 物言いも、旅ではことに和らげよ。理屈がましく声高にすな
 道中で、立ち寄り見るな。変死人。けんか、口論、碁や将棋

ことを荒立てないように、危険を避けるということでしょう。「旅の恥はかきすて」とは大違いです。

 空腹で風呂に入るな。ことのほか くたびれたなら熱い湯に入れ
 宿とりて、一に方角、二に雪隠、三に戸締まり、四に火の元
 長雨ののちにて山岸を行かば気をつけよ、崖のくづれに
 道中で知りたる者に、薬などすすめられても、ひらに断れ
 渇きても知らぬ山路や谷川の水は飲むまじ、くすりにて飲め
 船中の板子や竿に目をつけて、まさかのときは持ちて波間に

武道や作法、そのほか稽古事などには、よく「心得の歌」というのはあったようです。料理のコツの歌なども聞いたことがあります。
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