週刊百科雑誌

大判で30ページくらいでオールカラー、毎週買い揃えると本格的な専門百科事典のようになりそうな雑誌を、書店でよく見かける。中高年向きの教養シリーズのようなテーマが多いのだが、有名神社探訪のシリーズを買い始めたある人が、途中で飽きてきたようなことを書いていたのは、内容に新しさがないからなのだろう。
創刊号だけ半額低度の値段で売っていることも多いので、あるCD付きの童謡唱歌シリーズを一冊買ったことがあるが、掲載写真は郷愁とは別のリアリズムに満ちたもので、あまり良いものではなかった。あまり期待できるものはなさそうな気がする。

昭和30年代にブームだった画報雑誌は、文章はダメだが、写真は良いものが多く、山田書院の『伝説と奇談』シリーズなどには古い錦絵もふんだんに載っていて大事にしている。同じような内容で昭和40年ごろにリメークされてハードカバーとなった『日本の伝説』は、新しい専門家の解説などは良くなったが、巻頭のカラー写真は、石仏や人物の接写写真が多く、良いものではない。黒い影の部分やごつごつした部分、一部の赤色などが強調され、その時代の写真家の好みなのかと思った。映画でもやけに顔のアップの多いものが流行った時代である。大きな写真で万葉の名歌を訪ねるにしても、そのような写真のイメージでは、今では違和感があることだろう。音楽でもモーツァルトよりベートーベンやシューベルトの人気のほうがずっと高かった時代である。

10年以上前の「週刊朝日百科 日本の歴史」シリーズは、中世史をはじめ最近の有力な学説などが次々に紹介されて良かったので、古本屋でバインダー付きの揃いのものを買ったら、1冊50円くらいの計算だった。
comments (0) | trackbacks (0) | Edit

Comments

Comment Form

icons:

Trackbacks


  page top