3月18日の命日

旧暦3月18日は、柿本人麻呂、和泉式部、小野小町の3人の命日であるといわれる。和歌に秀で、庶民にも人気のある3人が同じ命日の伝説をもっている。中西進氏によれば、桜の散るころの意味だろうという。桜の散るころが季節の重要な節目であって、季節がよみがえり、そのことに歌が深く関わってくるものなのだろうと想像できる。
旧暦の3月は早ければ彼岸の中日の翌日から始まるので、18日ごろが桜の散るころになることもあるのだろう。

西行法師の命日は2月16日といわれるが、有名な歌がある。

 願はくは花のもとにて春死なむ その如月の望月のころ  西行

如月の望月・つまり旧2月15日ごろに桜が見られ、そのころが自分の死ぬときだという。15日は釈迦の命日で、西行は1日遅れ。伝説も釈迦に遠慮したのだろう。旧暦2月15日は、遅ければ新暦4月上旬ごろにずれこむこともあるので、桜が咲くころである。

2月15日ごろに桜が咲き、3月18日ごろ桜が散る、というのはもちろん同じ年の出来事について言っているわけではない。何か釈然としない部分もあるが、要するに、日本人は、人の死と桜について深い連想を抱き続けてきたのだろう。
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Comments

向日葵 | 2006/03/18 22:01
はじめまして、よろしく。中国の西安の大学生です。今日本語学科四年生です。
このブログで勉強になるものがたくさんありますね。これからもたくさんおしえてください。
森の番人 | 2006/03/19 14:51
はるばる、ありがとうございます。
そちらの日本語のブログは、ひらがなのコードは日本と同じですが、漢字が中国語のコードのようですね。エンコードを中国語にしたら読めました。
物語の教育について、もっともだと思います。特に詩歌の挿入された物語は世界中にあると思いますが、美しい形式です。
神奈備 | 2006/03/20 15:03
 楡の木と京都の森

 下鴨神社の鎮座する糺の森の、縄文、弥生の地層から、ニレ科の種子が数種出ているとのことです。
 また、楡の木の杜と言う杜があり、別名は鵺杜、鵺森と言われていました。現在の東三条鳥居小路↓の西にあたるそうです。−下鴨神社宮司 新木氏講演資料から−

http://www.mapion.co.jp/c/f?uc=1&grp=all&nl=35/00/25.120&el=135/47/21.876&scl=25000&bid=Mlink" target="_blank">http://www.mapion.co.jp/c/f?uc=1&grp=all&nl=35/00/25.120&el=135/47/21.876&scl=25000&bid=Mlink
森の番人 | 2006/03/23 13:12
情報をありがとうございます。鵺森は『拾遺都名所図会』http://www.nichibun.ac.jp/meisyozue/kyotosyui/page7t/km_01_329.html" target="_blank">http://www.nichibun.ac.jp/meisyozue/kyotosyui/page7t/km_01_329.html
によると、源頼政の鵺退治という有名な伝説で知られる場所のようで、興味をひかれます。

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これって、やっぱり、おかしな日本語ですよね・・・ | RSD友の会 | 2006/03/21 16:51
今更ながら、「おかしな日本語」が気になるのですよね。 今日は、祝日ながら、午前中

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