安宅の関と住吉の神

NHKドラマの『義経』で、安宅の関の場面をやっていた。歌舞伎の『勧進帳』でも有名な場面である。番組の最後に史跡案内が短く紹介され、安宅の関の址、その近くには安宅住吉神社があるという。
安宅の関も神社も海べりにあり、住吉の神といえば昔から海上交通の神である。

しかし「関」と呼ばれるような場所に住吉の神がまつられる例は、他にもあった。奥州街道の白河の関、そして関所はなかったが、中山道の美濃・信濃の境の神坂峠(8/27 峠の神の伝説と歌の神 参照)である。
船の交通の要所の神であったものが、だんだん陸にものぼって山や峠の難所にもまつられるようになったということだろう。そして難所の神は歌の神でもあったのである。

安宅住吉神社はいわゆる延喜式内社ではないようだが、安宅の関は延喜式にも載り、源平盛衰記には「安宅関住吉浜」とも書かれているらしい。しかし所在がわからなかった時代も長く、古い和歌には読まれていないようだ。
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安宅の関 勧進帳 弁慶・義経・富樫の銅像 石川県小松市 | 吠えて勝つ | 2006/03/12 21:01
勧進帳で有名な、石川県小松市の安宅の関を訪れた。日本海の海岸沿いにあり、傾いた松が情緒的な雰囲気である。安宅の関跡に弁慶、富樫、義経の立派な銅像があった。これらは本人というより歌舞伎役者がモデルとなっているらしい。弁慶→七代目松本幸四郎富樫→二代目市川...

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