スサノヲの乱暴〜逆剥ぎ

昨日に続いて、皮を剥がす話。機織の小屋の話も出てきます。

古事記によると、若き素戔嗚尊(スサノヲノミコト)が荒れ狂ったとき、天の斑馬(ふちこま)の皮を「逆剥ぎ(さかはぎ)」に剥がして、服屋(はたや)の屋根に穴をあけてそこから投げ入れたそうです。

「天照大御神、忌服屋に坐して、神御衣織らしめたまひし時、その服屋の頂を穿ち、天の斑馬を逆剥に剥ぎて堕し入るる時に、天の服織女、見驚きて、梭に陰上を衝きて死にき。」(古事記)

 「逆剥ぎ」については様々の解釈があるが、通常の剥がし方とは逆の方向に剥がしたということらしい。生贄として捧げられた馬があり、そのあと皮なども無駄なく使わねばならず、皮を剥がすときは普通は尻の部分から剥がすらしい。逆というのは頭から剥がすことで、「逆剥ぎ」は後世まで「天つ罪」として忌むべきものとされた。頭から剥がすと、脱皮する蛇が頭から出てくるように、馬が生き返ってしまうと怖れられたからだ、というのが本当のところかもしれない。

 棚機姫が川岸に棚を設けてその上で機織りをした伝説では、機を織りながら神霊を呼び寄せていたらしいのだが、機織りをしている服屋の屋根の穴から、神霊のかわりに馬の死体を投げ入れたのでは、機を汚すことになってしまうのだろう。
 東北地方には、養蚕の神であるオシラサマの信仰があり、養蚕の神は機織りの神でもある。養蚕の女神は、馬に乗って海からやってきたという話が多い。機織りの娘と馬と伝説は、さまざまに語られて伝承され、スサノヲが服屋に馬を投げ入れたのは、それらに関する何かを犯したことになるのだろう。
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