歴史的仮名遣

神話の森のホームページは、多くのページが歴史的仮名遣で書かれている。しかしブログはそうではない。最近、歴史的仮名遣を間違えることがあるのは、ブログ以外の更新が少ないからだろう。そこでホームページでまだとりくんでいない「歌語り歳時記」、「千人一首」、「日本の神話・詳述版」についてとりかかろうと思う。もちろん歴史的仮名遣になる。

歴史的仮名遣は、丸谷才一氏のほか、阿川弘之氏だとか、普通の小説やエッセイが読まれているので、将来もまったくなくなることはなかろうと思う。廃れてしまった原因について、丸谷氏がいうには福田恆存氏が良くなかったという。それは一種の急進主義のようなもので、送り仮名だけでなく、漢字の字音仮名(たとえば缶詰はクワンヅメ)、さらに当用漢字ではなく本字で書かなければならないという主張が一部で支持を得てしまったからで、狭い範囲のグループの中では急進的な発言は支持を得やすいのだという。極論になって世間と乖離してしまったということだ。今日の皇統の男系主義と似たようなものだろう。
あるいは急進主義のほかに、日本人の技能主義のようなものもあるのではないかとも思う。

技能主義とは、左甚五郎が彫った馬が歩きだすのは、甚五郎の技能への崇拝があるからで、戦のルールを無視した源義経が支持されるのは、戦術の奇抜さへの畏怖のようなものがあるのだろうし、そういったことである。これについてはあとで書いてみたい。

ところでネットでも「大祓詞」を見かけることがあるが、数年前いくつか見た範囲では、ふりがななどの仮名遣の間違いのないものは、「玄松子の記憶」というサイトのものだけだった。1つのデータに対しての誠実さは保証できるということがいえると思う。
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Comments

kmns | 2010/03/07 16:47
「假名遣」で檢索してこちらに參りました。

もと出版社勤務。ローマ字論から假名遣を考へてをります。ローマ字相談室のローマ字資料室(ヘボン式系統)に置いてある「擴張ヘボン式の發見」を御一讀いただきければさいはひです。

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