油と八幡宮

京都府乙訓郡大山崎町にある離宮八幡宮は、通称「山崎八幡宮」ともいい、平安時代末以降、京都へ油を流通させる拠点の「油座」という組織があったそうです。石清水八幡宮の配下の人たちらしいですが、独占的な権利を得て、諸国の油業者たちから税をとりたて、油の製造と流通を支配したそうです。(山崎の油

  宵ごとに都に出づる油売り、ふけてのみ見る山崎の月       職人尽歌合

油屋の人たちは八幡様をまつっていたということなのでしょう。

さて、そこで、全国に「油」の文字がつく地名に鎮座する八幡社を調べると25社あります。油の地名で八幡社でないものを含めた全体が118社ですから21%です。これは全国の神社に占める八幡社の割合が11%であることと比較して、やはり多いといえます。

広島県神石郡油木町には、9社のうち、「亀鶴山八幡神社」「鶴山八幡神社」「大仙山八幡神社」、単に「八幡神社」と称する3社、以上6社の八幡様があります。
山口県大津郡油谷町には、12社のうち、「河原八幡宮」「久冨八幡宮」「八幡人丸神社」「蔵小田八幡宮」「伊上八幡宮」「向津具八幡宮」の6社があります。
その他にも多いのですが、やはりこれは偶然というべきものではないのでしょう。

さらに、全国の「山崎」という地名のところにも、「八幡神社」が多いように思ったのですが、それほど多い比率ではありませんでした。
しかし香川県高松市西山崎町の八幡神社の由緒には「昔城州山崎より勸請せしものと傅へられ、依って地名をも山崎と云ふ。」とありますので、もっと探してみても良いかもしれません。
このテーマは、もっと詳しく調べてみても良いテーマです。興味のある人はやってみてください。
日本植物油協会、油にまつわる神仏
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