美少年の伝説

日本の女性の伝説では、きっと皆神事にあづかった女性たちだろうということでしたが、伝説物語の中の少年については、神仏に深く関った少年たちであったことが、よりはっきりしています。

近江国の愛護の若は、死後に日吉(ひえ)山王権現として祭られますが、継子いじめの話あり、多彩な職能民も登場する波乱万丈のドラマです。

江の島絵葉書山王権現の申し子といわれたのが江戸向島の梅若塚の伝説の梅若です。
同じ梅若という名の少年が登場するのが秋夜長物語(あきのよのながものがたり)で、近江の三井寺や比叡山が舞台のドラマチックな筋立です。
江戸の梅若とよく似た話が常陸国桜川の桜子です。

紀州の高野山の石堂丸の伝説も、哀れではありますが美しい物語です。
以上の少年たちは寺の稚児だったのですが、相模国、江の島の稚児が淵の白菊の伝説もよく知られます。(画像は江の島の古い絵葉書)

いづれも中世ごろの話で、神仏習合時代になって、古代の女性の伝説に並びうるように盛んになっていったようなところもあります。源義経の伝説も美少年の物語でした。
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