電子書斎の"夢"

20年近く前に、「電子書斎」という言葉を耳にして自分で試みたことがある。といってもWindowsもなかった当時では、1台のデスクトップパソコンが広辞苑を検索するための専用機になっただけだった。今はインターネットにつなげておけば、辞書や事典のサイトもあるし、文献テキストを公開しているサイトもある。そのほか一般のWEBページの情報は玉石混交だが、Googleなどの検索エンジンで調べることもできる。
それでもよく使う市販のCD-ROM事典類がある。

『平凡社世界大百科事典』 日本を代表する百科事典で、記事は小論文形式といってよい。気になる記事があったら執筆者名で全文検索すると関連情報も広がる。難点は、たとえば示扁(しめすへん)などの漢字で今のJIS書体では字形が「ネ」の形になっているものも「示」の字形で表示するなどのため、外字が多用され、コピーすると外字は文字化けすること。

『国語大辞典(新装版)』小学館 Windows95パソコンに付いてきたCD-ROM「Microsoft Bookshelf Basic 96」に収録。たまにではあるが貴重な項目があるのに気づく。俗語風の使用例についての説明も詳しい。

『広辞苑』 1つのテキストファイルにしてしまってエディタで検索している。そうしておけば紙の辞書のように、調べようと思った項目ではないその前後の記事に寄り道することも可能。

『二十一代集』(岩波書店) これもテキストにしてしまった。このCD-ROMは江戸時代の版本を元にしたといい、仮名遣も版本のまま。つまり古今集など二、三の歌集以外では、明治時代に確立した歴史的仮名遣で検索しようとしても一致しないことがある。二十一代集にはない万葉集は若き日に入力しておいた折口信夫『口訳万葉集』を使用している。夫木抄も欲しい。

『平成祭データ』(神社本庁) 神社の由緒など公式の資料を収録。

そのほか『新潮文庫の100冊』に柳田国男「遠野物語」がある。
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