秋の七草といえば

秋の七草といえば、万葉集の山上憶良の歌がある。

  萩が花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花また藤袴 あさがほの花  山上憶良

「あさがほ」とは今の桔梗のことだともいう。
春の七草がすべて食用で、長寿を願う若菜摘みなどの多彩な民俗を形成しているのに対して、秋の七草はおもに十五夜などでの鑑賞用とされる。あるいは七夕やお盆でも飾られ、神霊の依代であるとする説もないわけではない。
山上憶良の歌は、秋の野では種々の草花を見ることができるという趣旨の歌で、歌われた七つだけにこだわる必要はないのだろう。

埼玉県秩父地方では秋の七草にちなんだ七つのお寺があるそうだが、秩父の城峰山には平将門の愛妾だった桔梗の前の悲劇の伝説もある。
ほかに、宮城野の萩武蔵野の尾花吉野の葛などがよく知られる。
次の有名な歌は長崎県の壱岐で詠まれた。

  葛の花踏みしだかれて色あたらしこの山道を行きし人あり   釈迢空

参考 春の七草
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