須佐之男命

須佐之男命
須佐之男命(スサノヲノミコト、スサノオ)という神は、稲荷神社や八幡神社の神とならんで、もっとも日本を代表する神の一つである。
ただし須佐之男命を祭る神社の名前は、種類が多く、全国的に多いのは熊野神社や八坂神社である。関東の氷川神社や東海地方の津島神社でも祭られる。そのほか須賀神社、須佐之男神社、八雲神社などがある。それらを合計すれば、稲荷様や八幡様の数に匹敵するほど、日本の代表的な神である。

中国地方や兵庫県や四国北部では、荒神社(こうじんしゃ)という名の神社でも祭られ、その数は約200社、氷川神社や津島神社の数にも匹敵するほどの数である。
荒神様は、全国的には竃の神として家の中に祭られることが多く、火の神であり家の守り神であり、また作物を守る神とされる。
しかし中国地方では、家の母屋の外の屋敷内に祭られたり、一族に共同で祭られたり、地域の氏神として祭られる。その点では関東などの稲荷様にも似ている。「○○荒神」という名で親しみをこめて祭られることも多く、山口県には三年寝太郎を祭った寝太郎荒神もある。また牛馬の守護神としても祭られる。

荒神社に須佐之男命が祭られるのは、「荒れる神」というよりも、庶民生活の長い歴史の中で最も親しみのある神だからなのだろう。
須佐之男命は、雨の中を蓑笠姿で諸国を歩き、庶民の家を訪れては豊穣を約束してくれる神という伝承がある。備後国風土記逸文によれば、訪れた先で疫病除けの呪法として茅の輪の方法を教えてくれた神でもある。

中国四国地方に200社もある荒神社だが、どれも規模が小さい神社のようで、それぞれの由緒書を入手することができない。里神楽に多い「五郎王子」の話が参考になるというが、まだよく検討していない。
広島の神楽というサイトに五行祭の話がある。

須佐之男命には、古事記などでは、乱暴者で天照大神を困らせた話、八俣の大蛇を退治した話(図版参照、大蘇芳年の絵)があるが、別の機会に述べる。
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