蜂に刺されないおまじないの歌

夏休みに野山で遊ぶ子供たちは、蜂に刺されないように気をつけなければなりません。

蜂が近づいてきたときは、「アビラ ウン ケン ソワカ」という呪文を唱えると良いとか、口笛を吹くと良いとかいう話もあります。

  軒端なる蜂のずはへに梅咲きて、うそを吹き吹き花をこそ折れ (犬つくは集)

「ずはへ」とは若枝のことと鈴木棠三『日本俗信辞典』にあります。「うそ」とは口笛のことで「嘯」と書きます。
山形県の例では、次の歌を唱えると蜂除けになるそうです。

  わだの原こぎいでて見れば久方のくもりにまがふ沖つ白波

百人一首(藤原忠通)の歌の「雲居」を「くもり」に変えただけの歌で、よくわかりませんが、「お前は蜘蛛だから刺すはずがない!」という意味でしょうか?
そのほか、近くに落ちている平べったい石を裏返しにひっくり返すと良いというのも、広く行われたおまじないです。

古事記の話では、若い大国主命が、須佐之男命から試練を受けたとき、ムカデと蜂の室に入れられて苦行をさせられますが、妻の須勢理毘売(すせりびめ)に教えられて、「蜂のひれ」を三度振って脱出できたという話があります。

さて次の歌は竹の枝にできた蜂の巣(ハチス)を詠んだものといいます。

  末のよは竹もはちすになりければ仏にうとき身とは思はじ  赤染衛門

「よ」は竹の節の意味もあり、「末の世」と枝の「末の節」をかけてあります。
ハチスというと蓮根の意味にもなり、その花が蓮(ハス)ですから、仏とも縁が深いものだというわけです。
軒下に蜂が巣を作るのは、縁起の良いこととされます。よそから持ってきた蜂の巣をぶらさげても無病息災の御守りになるといいます。

Kさんご指摘の蜜蜂についてのサイトhttp://bee.lin.go.jp/bee/history/02_01.html
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