神話の森のブログ

日本の神話や民俗、また近世農村研究

追悼、杉浦日向子さん


杉浦日向子『お江戸でござる』江戸文化研究家、「杉浦日向子さん死去」のニュース。あまりに突然で早すぎる知らせでした。
現代人がほとんど忘れてしまったような、江戸時代の庶民の生活の良き情緒を、生き生きと語ってくれた人でした。"江戸"を現代に近づけてくれた人でした。ご冥福を祈るばかりです。

数日前に書いた「江戸の井戸替え」については、NHKの「お江戸でござる」という番組で杉浦さんが語ってくれたものです。七夕のころ長屋の人が揃って井戸掃除をするという話。そのほか印象に残っている話は……

「飛脚に十両届けてくれと頼んでも、飛脚が持ち逃げすることはなく、泥棒が襲うこともなかった。」……「バチが当たる」ということを信じていた時代です。

「悪い代官はいなかった。」……水戸黄門のドラマは現代の官僚批判でしかないわけです。

「江戸の祭に、大店のくせに寄付の少ない店へは、神輿が突っ込んで暴れた。」……神輿をかつぐのは長屋住まいの人たちで、わかっていたわけです。

画像は、ワニブックス発行『お江戸でござる』という本ですが、ここからですと、「大工、鳶、左官などの職人は、江戸娘の憧れであり、給金も良かった。」といった話。ものを作ることが尊敬されたということです。

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comments (4) trackback (1) 編集

コメント

戸矢 | 2005/07/26 08:29
杉浦さんの全作品を蔵書しています。とくに「百日紅」が好きで、何度読み返したか憶えていないくらいです。彼女の感性には、共感するところが多く、「ソ連」(蕎麦好き連のこと)にも参加したいと思っておりました。
惚れていたのになあ!
──冥福を祈ります。
神話の森の番人 | 2005/07/26 11:13
惜しいですね。がんの告知が1年8ヶ月前とのことですから一昨年11月。「お江戸でござる」降板が昨年3月末で、「念願だった豪華客船の旅で世界一周旅行に行くため」と言っていました。
人の霊は舟で行き来するという考えは、現代の精霊流しでも生き続けていますが、「世界一周の旅」というのが江戸人の粋な言いかたなのでしょう。
「鎖国」という後世の言い方は問題があって、江戸は直接ではありませんが間接的なかたちで世界に開けていた大都市だったわけです。世界の人に知ってほしい文化が江戸にあったのでしょう。
kurohogan | 2005/07/26 13:16
はじめまして。貴重な情報が様々ありますね。いつか引用させて下さい。よろしく
よいショット! | 2005/07/27 14:22
本当に素敵な方でした。まるで江戸から来た人。

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杉浦日向子さん急逝. | おもちゃばこ.net | 2005/07/26 00:25
ショック…仕事から帰ってYahoo!のニューストピックス確認するなり絶句.漫画家で文筆家で江戸風俗研究家の杉浦日向子さんが46歳の若さで急逝されたそうです.両親がNHKのコメディー「お江戸でござる(2004年まで放映)」が好きで,その流れで(結構歴史好きな)私も大学忙しくなる頃までは観ていました.その番組の「おも...