魂を招き寄せる石

石について書いたいくつかの記事に補足すべきことはないかと、皇后さまの愛読書でもある石上堅著『石の伝説』を開いてみたら、静岡県掛川の孕石天神のことが書いてありました。「沢山の小石を孕んでいる赤石がある。孕石と呼びその上に天満宮が祀ってある」ということですが、次のページの神社のことでしょう。
http://www.drico.co.jp/conglo-haramiishi.htm
小石が堆積してひとかたまりに固まりかけているのですが充分岩にはなりきっていない礫石の状態の石です。(近代的解釈で「さざれ石」としたりしますが、「さざれ石」とは小さい石の意味であって、くっつきあったものを言うのではありません。)
小石をたくさん孕んだ状態なので孕み石と呼ばれるのでしょう。この小石は落ちやすく、一つを持って帰ると子授けや安産の御守りになるということです。

そのほか、庭に置いておくとどんどん大きくなる石や、細胞分裂のように数が増える石なども、子持ち石と呼ばれることがあるようです。
子宝を得るには、小さい石の場合は頭に載せたり、大きい石の場合は、手で撫でたり、腰掛けたりし、それらは「魂呼ばい」のための呪的動作であるといいます。
新しい生命の魂を呼ぶということなのでしょう。子授けの場合の「新しい魂」とは生まれて来る子供の魂のことでしょうから、それを招き寄せる作法ということになります。

義経や菅原道真の腰掛石も、彼らが旅の行く先を祈って神を招き寄せたのでしょうが、後世の人々から見れば、神とともに義経や道真の魂を招き寄せることになるのでしょう。
五劫の擦り切れの話で舞い降りてきた天女も、羽衣の袖で岩を撫でたということです。岩を撫でることも神を招き寄せる作法に違いはないわけです。

孕石天神のある掛川市北部の原野谷川流域は、むかしの遠江国佐野郡幡羅郷にあたり、幡羅郷の地名は武蔵国幡羅郡と同じなので、個人的には強い関心をもっているわけです。

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●ブログランキング2位! 戸矢さん
ついに2位になりましたね! こういうテーマが多くの人たちに読まれるのは素晴らしいことです。私も日々楽しみにしています。この勢いで、ぜひ1位になってください!(2005.07.20 11:27)

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