絵経

で5月初旬まで行われた「諸資料が物語る幕末の盛岡藩」という企画展のパンフレットに、絵経が掲載されていた。それを見ながら、なんと読むのだろうかと首をひねっていた。
「吉祥陀羅尼」というお経の名前を頼りに、調べてみた。
消災妙吉祥陀羅尼(しょうさいみょうきちじょうだらに)
http://www.sakai.zaq.ne.jp/piicats/shousaijyu.htm
上記ページとは繰返し部分が若干異なるが、「きちじょうだらに」で始まり、最後は「しりえい そもーこー」と読むのだろう。
「そもーこー」は「そわか」ともいうようだ。蜂に刺されたときなどの呪文に「……アビラ、ウンケン、ソワカ」というのがあったが、ソワカとは、仏の誓が成就する意味になるのだろう。
消災妙吉祥陀羅尼は、庶民の大師講や太子講でも、「般若心経」や「大悲心陀羅尼」などとともによく唱えられると、越前の永平寺関連のページにあった。
絵経は文字の読めない庶民のためのものという。全部ひらがなにしないところに、文字や図象に対する信仰があるようにも思う。幕末に流行した「神代文字」に似た点もある。
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