新年を迎える和歌

新年を迎える有名な和歌といえば、三つほどが思い浮かぶ。

一つは、元旦の初雪を吉兆としてほめたたえた大伴家持の歌で、万葉集の最後に載っている歌で、因幡の国で詠まれたという。
http://nire.main.jp/rouman/fudoki/41toto02.htm

 新しき年の初めの初春の、今日降る雪のいや頻(し)け。吉言(よごと)  大伴家持

もう一つは、古今集の最初に載る在原元方の歌で、立春が年末に来てしまったというちょっと風変わりな印象の歌。
http://nire.main.jp/sb/log/eid107.html

 年の内に春は来にけり 一とせを 去年(こぞ)とやいはん 今年とやいはん 在原元方

三つ目は、万葉集巻十の詠み人知らずの歌で、新年を迎えて何もかも新たなものとなったのは良いことだが、しかし人間は古い人間のほうが良いものだと詠まれる。

 物皆はあらたまりたり。よしゑ、ただ、人は、古りにし宜しかるべし  万葉集
comments (2) | trackbacks (0) | Edit

Comments

toya manabu | 2007/01/04 07:23
新年をことほぐうた、もっと知りたいですね。
いにしえの人たちの新年への思いのさまざまは、いろいろなことを教えてくれるようです。
この一点に焦点を当ててあらゆる角度から研究するというのもおもしろい!
万葉集の可能性は、なんとも奥が深い。
弥榮弥榮
森の番人 | 2007/01/04 13:52
もう一首、そらでおぼえている一休禅師の歌がありました。
 門松は冥土の旅の一里塚、目出度くもあり、目出度くもなし
一休の歌は殺伐とした歌が多いのですが・・・。

歳時記や詞華集などには、まとめて載せているものが多くあると思います。この記事では家持の歌以外は新年についての観念的な内容の歌ばかりになりましたが、それもまた一興かと思います。

Comment Form

icons:

Trackbacks


  page top