『鳥の雑学事典』

『鳥の雑学事典』(日本実業出版社)という本を、千葉県我孫子市の手賀沼湖畔にある「鳥の博物館」で今年購入した。著者は、博物館近くにある山階鳥類研究所の人たちで、御結婚前だった紀宮清子様も数ページ執筆されている。
内容は鳥類の分類や生態について親しみやすく書かれている。

歴史や民俗の観点からの論述は少ないのだが、ミソサザイという小鳥の和名の語源についてのページがあった。それによると、方言の中にはミソットリとかミソヌスミとかいうのがあり、ミソは味噌と解されたようだが、室町時代の記録によれば「この鳥、溝(みぞ)に棲むこと三歳」なので、ミゾサンザイというとあり、水辺に棲む鳥の意味だろうという。サザイは、古名のサザキのことで、ササは小さいという意味ではないかという。

あるいは、サザはスズメのスズと同源のものかもしれない。古代にはサシスセソの発音は、今のチャチィチュチェチョに近かったといわれることから、スズメはチュヂュメで、チュンチュンという鳴き声からの命名だろうとは、よくいわれることである。

さて小学館のポケットガイド『野鳥282』という小型本には鳥のカラー写真が282ページにわたって掲載されている。写真は綺麗である。ただ、短い解説は読んでいてあきてしまう。柳田国男の『野鳥雑記』という名著がるが、それに現代の写真家の写真をたくさん載せてカラー版で再刊したら、魅力的な本になるだろうと思う。

集英社の全四巻の大冊『大歳時記』は、歳時記や生活文化から見た鳥についての記述も多く、和歌や俳句ももちろん載っている。
鳥についての民間信仰や俗信については、やはり鈴木棠三氏の『日本俗信辞典』(東京堂)が頼りになる。
鳥の雑学事典
鳥の博物館の西隣には、千勝神社(ちかつじんじゃ)という小さな神社があった。掲示板で情報提供していただいたので参拝してみたわけである。
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