少年時代の三冊

岩波新書『日本語の起源』(大野晋著、第一版)を読んだのは、高校生のときで、夢中になって一気に読み切ってしまった。後に出た「第二版」は、まったく書き改められてタミル語との関係が述べられたものだが、第一版は朝鮮語との比較などが述べられていた。記憶はあいまいなのだが、東日本と西日本の違い、縄文文化と弥生文化などについても書かれていたように思う。
大野氏の『岩波古語辞典』は今でもなかなか手放せない。狭山事件の脅迫状の「国語力」の鑑定をしたり、埼玉の稲荷山古墳出土の鉄剣の文の解釈ではワカタケル大王とは欽明帝ではないかという発言なども興味深かった(今の通説では雄略帝説が強い)。

中央公論社の『日本の歴史1神話から歴史へ』(井上光貞著)も高校生のとき刊行まもないころで、何度も読んだ。かなり話題になった本らしく、今は中公文庫になっていると思う。しかし最初の本は古本屋の値段が良かったので売ってしまった。

小学生のころのもので、楠山正雄『日本童話宝玉集』も、繰り返し読んでいた。日本の昔話や伝説などの再話である。その後、講談社学術文庫といういかめしい名前のシリーズで4分冊で再刊されたのも購入した。楠山正雄は青空文庫でも少し読める。
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