難しい漢字

5月18日の「パソコンで使えない漢字の表現法」に関連して

小此木、あるいは、此木、という地名があり、「此木」はコノギと読む。
柳田國男の『地名の研究』によると、「柴」という一文字だけでコノギという地名もあるらしい。同書によればコノギはクヌギの転で、クヌギは今は櫟(くぬぎ)などの特定の種類の樹木のことだが、時代や地方によってさまざまな樹木をそう呼ぶことがあり、元は要するに薪に用いた木という意味らしい。昔話で、おじいさんが山へ柴刈に行った、というときの「柴」のことで、シバともコノギとも言った。
柴と書いてコノギと読むのが不思議に思われた時代に、柴の字を二つに切り離して此木とし、間違いなく皆がコノギと読めるようになったというわけである。

もし難字でも2つに分けられるものがあれば、二文字の表記を通用表記としても良いのだろうが、そううまく分けられるものは少ない。上が「神」で下が「虫」の漢字で「かいこ(蚕)」と読む字を見たことがあるが、2文字の「神虫」で「かいこ」でも良いかもしれない。

広島市安佐北区に野冠とも書く地名があり、「のかづき」という。本来は冠ではなく「門構えに屋」という字だが、もとの意味に近い漢字として「冠」の字も使われるのだろうと思う。
奈良県橿原市の軽樹村坐神社(かるこむらにますじんじゃ)は「軽」でなく「木へんに?y」という字だったと思うが、木を車におきかえて「輕」の字がかなり用いられている。

地名の表記では、少々漢字表記が変わっても抵抗感は少ないのだろう。
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Comments

k | 2007/08/07 17:25
阿弥陀籤 
読めるかな

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