まつり(祭)の語源
まつり(祭)という言葉の古い意味は、つまり、しきたり通りに行うことであると、折口信夫の本にひとことだけ書かれた部分があったと思う。
しきたり通り行うとは、毎年繰り返すことであり、季節が繰り返し、年月、そして人々も世代をこえて、大事なものを繰り返し伝えて行っているということである。
「政治」の意味の「まつりごと」の元の意味も「しきたり通り行うこと」であったらしい。
まつりという言葉は、日本語の基本語中の基本語であり、他の言葉から派生したというような語源説は当たらないことだろう。むしろ、まつりという言葉がどのように意味を広げていったかを見るのが良いと思う。
「たてまつる」とは、食物などを献上したり相手をもてなす意味である。「たつ」とは、煙や湯気が立つように、下から上へ向かって新しいものが現れることで、「たてる」は、上に向かって現れるようにすることなので、それだけで「献上」の意味に近くなる。祭では物を献上したり神をもてなしたりすることは不可欠のことなので、「たてまつる」を「まつり」の語源とする説もあり、たいへん魅力があるのだが、「たてまつる」は派生語として後からできた言葉なのだろう。
「つかえまつる」とは、大祓詞では建物などを作って差し上げることで、「つかえる」に「築く、作る」の意味があるようだ。その建物のもとで奉仕する意味から、服従の意味に広がっている。「まつろう」(服従する)という言葉もある。神につかえまつることも、祭の重要な要素だが、これらも言葉の源ではなく派生語なのだろう。
「まつり縫い」とは、洋裁などでも使われて多彩な意味になっているが、和裁では、半返し縫いの意味もあると辞書にある。和裁の方面は詳しいことはまったくわからないのだが、糸が表で少し戻っては裏では更に先に進んで行くようなことを繰り返して、まっすぐ丈夫に伸びたり、複雑な刺繍が完成するらしい。
しきたり通り行うとは、毎年繰り返すことであり、季節が繰り返し、年月、そして人々も世代をこえて、大事なものを繰り返し伝えて行っているということである。
「政治」の意味の「まつりごと」の元の意味も「しきたり通り行うこと」であったらしい。
まつりという言葉は、日本語の基本語中の基本語であり、他の言葉から派生したというような語源説は当たらないことだろう。むしろ、まつりという言葉がどのように意味を広げていったかを見るのが良いと思う。
「たてまつる」とは、食物などを献上したり相手をもてなす意味である。「たつ」とは、煙や湯気が立つように、下から上へ向かって新しいものが現れることで、「たてる」は、上に向かって現れるようにすることなので、それだけで「献上」の意味に近くなる。祭では物を献上したり神をもてなしたりすることは不可欠のことなので、「たてまつる」を「まつり」の語源とする説もあり、たいへん魅力があるのだが、「たてまつる」は派生語として後からできた言葉なのだろう。
「つかえまつる」とは、大祓詞では建物などを作って差し上げることで、「つかえる」に「築く、作る」の意味があるようだ。その建物のもとで奉仕する意味から、服従の意味に広がっている。「まつろう」(服従する)という言葉もある。神につかえまつることも、祭の重要な要素だが、これらも言葉の源ではなく派生語なのだろう。
「まつり縫い」とは、洋裁などでも使われて多彩な意味になっているが、和裁では、半返し縫いの意味もあると辞書にある。和裁の方面は詳しいことはまったくわからないのだが、糸が表で少し戻っては裏では更に先に進んで行くようなことを繰り返して、まっすぐ丈夫に伸びたり、複雑な刺繍が完成するらしい。
Comments
わたしは小説を書くのですが、日本語を美しく操るためにも、お勉強させていただきたいと思います。
ブログで小説をのせています。あまり美しい言葉は使えていませんが、リズム感にはこだわっているつもりです。お時間のあるときにでも、チェックしにきてください。また来ますね
リズム感というか音楽性は重要かもしれません。
「歌うように書く」という言葉もあります。
さくらみかんさんのブログ、少し拝見。次回はゆっくり拝見予定
いま、大野晋さんの『日本語の年輪』(新潮社文庫)をじっくり読んでいます。ちょうど「まつり」の語源にさしかかったところなのです。大野さんは古文から例をいくつか上げて、「まつり」は「神に物を差し上げて願いごとをすること」、「まつりごと」とは神に物を捧げて生産の豊かさ、自分たちの安全を祈るところに、その起源がある」と述べています。なるほど、いまでも政界では捧げ物がものを言う、と大野さんも皮肉っておられますが(笑)、折口さんは少々違う切り口のようで、これまた興味深いですね。
話は変わりますが、「雪月花」のリンクのページにこちらを紹介させていただいてもよろしいでしょうか?
「また会いましょう」の「また」も同じ語源かもしれないなどと思っています。
『日本語の年輪』は部分的に再読してみたいです。
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今後もよろしくお願いいたします。
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