富士講の記憶

富士講の和歌 1

三国第一山
 富士嶽神社

三国の光の元を尋ぬれば 朝日に夕日 富士の三鏡

見るにあかぬ雪打かかるふじの山 ただ白妙に心ふかくも


富士の山登る払ひの雪氷り 千代萬世も空に知られて

不二の山ほのぼのと明く萬世の 道の心も峯のいたけさ


帰るみのしるしとばかり残し置 尽せぬふじの峯に言の葉

あらた成る御前を立ていにしへの 伊勢の川上見るぞうれしき(さ)


内外の八ツ八ツ八ツの水のみな神 尽せぬ御代の富士のみたらし

不二の山峯に言の葉残しおく 広き裾野の末の世迄も


此の中の原より四方の雲はれて みへにけるかな山もふじのね

富士の山裾野にさても聞へなる 其おく広き白糸の滝


不二の山登りてみれば何もなし よきもあしきもわが心なり

富士の山善も悪しきもなす事は いくよ経るとも身にぞ来りし


ふじの山登りてみよやあらたなる 上はしら雪内は乾坤

其すがらかざる心をふりすてて 玉の光りのふじの山元


いつ迄も心やわらぐふじの山 唯一筋に玉の光りを

御三十五首
1 一すじに其おくみれば富士の山 玉の光りのあらた成りける


2 十七ツ月立待に移りける また行く事(所)もふじの白妙

3 十八ツの今つゑ月の富士の山 ただ人すじに玉の光りを


4 見ても知れ十九ツの富士の山玉の光りを千代萬世も

5 二十日夜の月より四方の雲晴て西や東や北や南ゑ


6 富士の山雲霧はれて四方迄も玉の光りにあふぞうれしき

7 天照らす其おくみれば富士の山 神のおしへの千代萬代も


8 峯の石春夏秋の冬迄もかたくしれとかふじの山雪

9 月も日もみな人筋に願ふなら悪は離て猶照らすらん


10 人は只わが身を下げて先を上 みる白妙に富士を印に

11 先立もあとに残るも今行もただ白妙のふじに残して


12 おしへにも玉の有りかは不二の山願ふ其身に光りそふらん

13 ふ士の山四方の雲霧吹晴て御いきあらたに千代や萬代


14 不二の山廿日中に門立て西や東や北や南ゑ

15 富士の山心のくもり打ち晴て玉の光りのほどぞうれしき


16 不二の山曇る心の今晴て千代に八千代に峯のしろ妙

17 富士の山四方の裾野も雲晴て末の世迄も知るぞうれしき


18 ふじの山おしへのごとくあらたなる祭り行ふ千代萬世と

19 色よくの二ツをみれば右ひだり善もあしきもみな身に参る


20 色よくを離てみよや二つなし心のうちの玉の光りを

21 時を得て君の心に参りあふ道あらたまのふじのやま元


22 不二の山みつの心を手にふりて直のおしへを千代萬世も

23 立横も千代萬世とおるにしき西丸月のけふの言ぶき


24 草も木もなべての川の雨露くずも 生有る物は心得てすめ

25 物毎を一つかわればふじの山いくよ経るとも出入のあだ


26 末の世の出入みればおそろしやなしおく事はみなふじの山

27 ごく楽をいづくとみれば我が身之 楽にぞ食ば心うれしや


28 争は我居る所は更になし下なる人を上へ上へと

29 誠かな道あら玉の御代となりせきのとの明くふじの裾原


30 三国の元の氷をとり染て今ぞ納るふじの白妙

31 二つ不き慈悲のおしへは日の光り雲吹はらふ峯の雪風


32 二日夜のみな白妙の富士よりも尚青空にとりてうへける

33 三国をみな白たうへの実になして今あら玉のふじの山元


34 富士の山みな白たうへの青空に千代萬世と名を残しおく

35 不二の山見申聞申言申も唯人すじに玉の光りを


●御済渡二十二首

1 富士の山みな三国をあら玉の東に出て西の奥迄

2 見るに今七つの星の天の川朝わかれては四方へひらけさ


3 曇なくみな三国ゑ済渡る天津空にぞ名を残しおく

4 三国を照らさせ玉ふ其の元へ朝行あふていのるうれしさ


5 三国に当(遺)りし物は何もなしよきもあしきも皆から袋

6 富士の山此かり物(与かり物)を返し置き光りの元へ名をも名を立


7 不二の山名は三国へ弘め置く天津空にて見るぞうれしき

8 攪わけて下にあるとはそこの月ここに有るとはたれか知るらん


9 川上の玉のありかを独り出て天津空にて身は参りける

10 富士の山争ふ事もいふ事も登りてみればあらわれにけり


11 人は只下より登りいつとなくふじの山へは誠高くも

12 尋来て此書物を持出て天子天下へ開かせて御世


13 不二の山おしへのごとく此山のぬしゆへにこそ身は参りける

14 三鏡を移してみれば富士の山よしあしともにあらわれにけり


15 今よりはみつの剣でいかぬなり誠の道に身は身禄なり

16 眼に見へぬ心の戦ひしめすには誠の道をふじの山元


17 富士の山麒麟出ける印には三まん目出たさ心安くも

18 天神の其役とてか三国をみなあら玉の都卒てん迄


19 不二の山みな三国ゑ誠にてみまん目出たの心なりける

20 独りすむ誠の月を眺むれば雲霧晴て峯にかぞしる


21 西東みな皆三こくへ済渡る只人筋に四方へ開けさ

22 済渡る光りの程の心しれ深き山路の奥の人迄




※一部の文字の読み方については左記を参照しました。

このページの和歌の配列は左記ページのものとほぼ同一ですが、細部の言葉の違ひがあり、読み方の違ひもあるやもしれません。

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