雑感と凡例
「諸国歌物語」といふ題名で予定してゐたものを「歌語り風土記」と改めたのが、本編である。「諸国物語」といふことばを何とか生かしたかったのだが、今の人にも内容を想像しやすいであらう題名に改めた。副題の「くにたまの歌」の意味については、別に序文で説明してある。
茨城県日立市川尻町(旧豊浦町)の
本書に引用の歌は、単独の歌として見れば名歌といふのは少ないのだが、歌の背後にある物語をよみがへらせることで、古い歌の生命もよみがへらせることができる。芭蕉の句なども地方の伝説を幾重にも重ねた上に詠まれることが多いやうだ。本書は従来の歌物語の紹介にとどまらず、右のやうなこころみを随所にこころがけた。それはちょうど貝合せのやうでもあった。
くにたまの歌の浜辺のかたせ貝、甲斐ある御世に合せても見む
蛇足ながら、豊浦の
平成十三年十月(平成17年2月一部訂正)
凡例
1、県別にまとめたが、埼玉県のページ数が多くなった。
2、ルビを短くした部分がある。たとへば「
3、歴史的仮名遣については、字音は現代風表記としたが、一部の和語として定着した感のある言葉「〜のやうな」「〜しさうだ」などは例外とする。
4、一部に歌の作者名を「伝○○○○」と表記した部分もあるが、そのほか和泉式部、小野小町、西行、菅原道真、等々、多くについては、特に「伝」の文字をつけてゐない。
5、左の「県名」をクリックしてご覧ください。