ハイヤ節

熊本県天草牛深市 長崎県平戸市

 ○ハイヤ、ハイヤで今朝出た船は、どこの港に着いたやら  (牛深ハイヤ節)

 ハイヤ節は、九州から起った船出の唄で、「南風(はゆ)」が唄の名となったといふ。天草の牛深ハイヤ節と平戸の田助ハイヤ節のどちらかが発生地なのだらう。南風を受けて船頭たちは日本海や瀬戸内方面へ貿易に出かけ、ハイヤ節の曲調も名を変へて各地へ広まった。ハイテンポのリズミカルな曲だが、北へ行くに連れてゆるやかとなり、阿波踊り、佐渡おけさ、津軽あいや節となり、さらに太平洋岸の塩釜甚句、潮来節もこの曲の変化だといふ。